ゴシップボーイ

ミドルステータス男子がハイステータス女子をGETするためのブログ

ハイステータス女子とのデート懐古:恵比寿の変〜Episode1

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18:15@ebisu

"はじめまして。さとみです。なんか緊張しますね。"

 

 

集合時間15分遅れで今宵のデートのお相手が現れた。遅れてきたことに対して、いささか怒りを覚えなかった。そんなものは当然である。何故なら、女子は男子と比べてデートに準備するべきことが多いからだ。

しかし、なんて美人なのだろうか。形容する言葉が見当たらない。オシャレな男女が集う恵比寿の中でひときわ異彩を放っていた。きっと、世のミドルステータス男子たちは、ライオンを見て怖じ気づいた鹿のように心が萎縮してしまうだろう。しかし、occkhamは違う。ここぞとばかりに胸をはり堂々とした態度で受け答えをするのである。ファーストインプレッションがこの世で最も大事だということを知っているのだ。

 

 

"はじめまして。occkhamです。本当緊張しますね。でも、いい人そうでよかった。"

 

 

全くおののかないその態度は、相手の中の恋愛対象スイッチボタンに手をかけさせるのである。occkhamはそれを知っている。ハイステータス女子とのデートという戦場を、いくばくもくぐりぬけてきた自負がそこにはあるのだ。気分はまるで、キングダムの人気キャラクター王騎将軍といえよう。

命の火とともに消えた彼らの思いが、全てこの双肩に重く宿っているのですよ

引用:kingdom より

 

しかし、ここで一度戦略的撤退をするのがよい。どういうことかと言うと、目を絶対に合わさないのである。S級美女が自然と持ち合わせている武器。それは男の潜在意識を自然と操ってしまう、そのつぶらな瞳なのである。覇気を持ち合わせていないミドルステータス男子たちは確実に一撃でやられてしまう。例えるならば、ハリーポッターにも登場するバジリスクのように。occkhamも所詮メッキ加工の鎧を身に付けているにすぎない。そんなものは一瞬ではがされてしまう。

ここでは目を合わさずに、落ち着いた、しかし、切なそうな表情を浮かべるのがよい。きっとハイステータス男子しか自然と出すことができないオーラみたいなものを演出することができるだろう。

 

 

"遅れてしまってすいません。ちょっとシンガポールから帰ってきたばかりで。体力的にきつくて。"

 

 

やれやれ。occkhamはこの子が客室乗務員であるということを友人から事前に知らされている。そのため、CAであることは出逢う前から当然知っている。そして、向こうもそのことを恐らく知っている。二言目でCAであることをそんなにアピールしなくてもいいのではないか。性格は大丈夫なのだろうか。。疑念にかられ、顔を覗き込みそうになってしまった。

 

危ない。すんでのところで覗き込むのを止めた。occkhamは気付いたのだ。さっき目を合わさない戦略を立てたはずなのに早速見ようとしてしまっている自分に。

 

 

待てよ。いや、待つんだ。これはこちらの戦略がばれているのだろうか。相当な手練れなのだろうか。

 

小学生の時分に近所のお姉さんに、

'これからうんって言っちゃいけないよ。分かった?'

と聞かれて、すかさず'うん'と答えたあの苦い経験を思い出した。

 

 

はあ。今宵も長くなりそうだ。双肩に重みを感じ、ふと空を見上げた。夕暮れの空に三日月が横たわっていた。

 

 

※次回記事につづく