ゴシップボーイ

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ハイステータス女子とのデート懐古:恵比寿の変〜Episode10

””君はどこまで泣き虫なんだい""

 

そっと彼女のほほを指でなぞった。あの例のハンカチはだせなかった。

折りたたみ傘をそっと畳み、彼女の傘下へと入った。

 

""だって、急に態度冷たくなるし。もう帰りたそうだし。""

""そんなことないよ。全然そんなことないんだけど、ただ、""

""ただ?""

""ただ、このままだと君を好きになってしまいそうで""

 

気付いた時には彼女を抱きしめていた。女の涙は恐ろしい。第一回裁判員裁判での判決内容「この子はおかしい。やめたほうがいい。」という結論をひっくり返そうとしていた。事実、occkhamは、抱きしめながらこの子を愛してしまっているのではないかとさえ感じていた。しかし、もう一人の自分は、「この子のことを好きになってはいけない」とかたくなに主張してくる。「この子はきっと地雷なんだ」と。

 

""私も好きかもしれない。本当に今日は色々楽しい話もできたし。色々共通点も多いなって。本当に運命の人かもしれないって。""

 

それは間違いだ、、、さとみさん。

occkhamは意図的に同意していただけなんだ。むしろ内心では僕たちは共通点が多くないと感じていた。僕は君程熱くないし、僕は君程家族想いなわけでもない。僕は、君が思っているほど誠実な人間でもない。昔ナンパ師として手を汚していた過去もある。

 

さっき、君が言った嘘つきという言葉。ここまで心に刺さったことはないんだ。僕は確かに嘘をついていた。

でも、嘘って本当にいけないのだろうか。

程度の差こそあれ、みんな嘘をついている。就活なんてそれの骨頂だ。嘘が上手い人が面接を通過する。ハイステータス女子を落とすために話を盛ってなにが悪いのだろうか。実際、モテている男子は確実に相手を気分よくさせるホワイトライをつきまくっている。

 

””運命って信じるの?僕はそんな受動的なものじゃじなくて、運命は自分で切り拓くものだと思っているんだ。そう、だから僕らの未来はそんな能動的なものじゃなくて、僕らで切り拓いていかないといけない。""

 

occkhamはわざと複雑なことをいって時間稼ぎをしていた。自分の中で今後の結論を出そうとしていた。僕は、この女の子を運命の女の子だと思って、つき合っていっていいのだろうか。

 

""私は、難しい話はよく分からないけど純粋に運命だと思う。そんな感じがするの。""

 

彼女はそっと左手を僕の腰にまわしていた。右手にはしっかりと傘が握られていた。さっきまでの思考が完全に停止していた。恐ろしい魔法だ。

彼女の手に誘導されるがままに、僕達は唇を重ねていた。彼女は、'あっ'という言葉にならないほどの小さな吐息をもらした。唇をそっと離し、僕たちは5秒くらい見つめ合っていた。

 

""今夜は一緒にいたい。もう少し一緒にいたいの。""

 

やれたかも委員会なら満場一致でやれたと言えるシチュエーションであった。しかし、一方で、このままでいいのかとocckhamは思った。この展開で床発進してつき合った経験が今までなかった。それは、一夜の酔いに任せた夢物語なのだ。そして、彼女も意図的なのかは分からないが、その夢を見たがっているに違いない。しかし、朝を迎えた時の虚無感といったらあれはない。賢者タイム。僕はもうそれにはこりごりなのだ。

 

""僕たちは急ぎすぎている。今夜は帰ろう。""

 

そっと、チンポジを適切なポジションに戻しながら答えた。彼女もなにか観念したのか、こくんと頷き、僕たちはその場から離れた。恵比寿のホームで別れを告げて僕たちはそれぞれの方面へと去っていった。その後、彼女からLINEがくる事はなかった。僕も何故だかLINEを送る気分になれなかった。何か変だ。やっぱり恵比寿の変なのである。あのオシャレな街は男女を変な気分にさせる。そして、それはやっぱり幻想物語だったんだと思う。しかし、それはディズニーランドで感じるような、はっきりとした単純に人々をわくわくさせる夢物語ではなく、有史以来ずっと繰り返されてきた男と女の色恋物語であった。

 

僕は、きっとあの子のことを好きじゃなかったんだ。そして、またつき合ったとしても完全に好きになることはなかったんだと解釈している。

 

 

 

 

 あとがき

閲覧いただきありがとうございました。はっきり言って、なんの山場もなく単純に懐古したそんな記事でございました。ただ、他人のデートは見る事ができないし、女性からしたら男性がどんな風に考えてデートしているか参考にしていただければと思います。

ブログの読者の皆様は、ハイステータス女子とのデート懐古シリーズにつき嘘が多いと思っていることでしょう。事実、これを体験したのは数ヶ月前のことであり一つ一つを正確に覚えてはおりません。つまり、台詞の端々には脚色がついております。

しかし、体験した流れについては嘘偽りはなく、occkhamは完全にノンフィクションだと思っております。

お読みいただきましてありがとうございました。